商標調査

 アメリカでの商標出願を検討する際に重要なのは、事前の商標調査です。誰か他の人が先に同一(又は類似)の商標を出願又は登録、若しくは使用していないか、つまり先行類似商標があるかどうかを調べなければなりません。先行類似商標があれば出願は拒絶されてしまいますので、それを避けるために事前調査が必要です。また、実際に出願しようとしている商標を市場で使い始めたときに、それが他人の商標権を侵害しないかどうかということも確認しておく必要がありますので、調査は広い範囲で行った方が安全です。

 調査の対象は連邦商標登録と出願、州の商標登録と出願、未登録商標、商号、インターネットのドメインネームです。

 出願人自身では米国特許商標庁の商標データベース(TESS)で連邦登録商標を調べることができます。またWebの検索エンジン、電話帳、業界紙などを利用して未登録の商標が存在するかどうかを調査することもある程度可能です。

 出願人自身が行った調査の段階で、同一(又は類似)の商標が見つからなくても、まだ未登録商標が存在しているかもしれません。しかし未登録商標の調査を完璧に行うのは不可能に等しく、専門の調査会社にフルサーチを依頼するのが最も安全だと言えます(それでも100%安全とはいきません)。

 上記の方法で出願人が自分で調査せず、最初から専門の会社に依頼するのも一方法です。

 どのような方法でどこまでコストをかけて調査するかは、出願しようとしている商標がどの程度重要かということや、どのくらいの期間使用しようとしているか、どのくらいの出荷量か等の様々な要素を考慮して決定することになると考えられます。

  調査の結果、出願しようとしている商標と先行商標が類似しているか、また指定商品/サービスの類似範囲の判断などについては専門の米国弁護士にご相談することをお勧めします。

 

 *日本との相違点

 日本は登録主義なので、権利は登録によって発生しますから、事前の調査としては、登録商標、出願商標を調査すればよいわけです。

 しかしアメリカは先使用主義国なので、米国特許商標庁に商標を登録していなくても、実際に商標を市場で使用していれば、そこに商標権は存在します(コモンロー上の権利)。また、ある州のみで使用していて、州登録されている場合もあります。このようにアメリカでは、連邦登録のみならず、商標権があちこちに存在しており、その使用範囲が広範囲であればあるほど、商標権侵害が起きた場合、問題も大きくなります。従って、出願前の調査は大変困難であると同時にとても重要だと考えられます。

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